開窯350周年「鍋島焼」の記念事業が始動
工芸トピックス VOL.36

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
京都府
2025.3.5 – 3.10
京都髙島屋
2025.3.6 – 6.7
資生堂アートハウス
東京都
2025.3.7 – 6.15
21_21 DESIGN SIGHT
滋賀県
2025.3.8 – 9.28
佐川美術館
卓越した技術と繊細で鮮やかな絵付けから、日本最高峰の磁器とも称される「鍋島焼(なべしまやき)」。今年で誕生350周年の節目を迎え、さまざまな取り組みが計画されている。
鍋島焼は、江戸時代に佐賀藩が、将軍家や大名家への献上・贈答品を作るために全国から選りすぐりの陶工を31名集め、藩直営の「鍋島藩窯」を大川内山に築窯したことから始まった。廃藩置県により鍋島藩窯が廃窯となった後に民窯として再興し、現在も大川内山にある29の窯元で伝統と技術を継承し続けている。開窯350年となる2025年、鍋島焼協同組合では、「伊万里鍋島焼」や「伊万里焼」とも呼ばれてきた呼称を「鍋島焼」に統一。鍋島焼の定義を、「鍋島藩窯」の意思を受け継ぎ制作された陶磁器、かつ大川内山に所在する鍋島焼協同組合員が制作した陶磁器とし、長年大川内山で継承されてきた「鍋島焼文化」を未来へ繋いでいくビジョンを発表した。
《鍋島焼開窯350周年 記念小皿》デザイン・制作元:畑萬陶苑
具体的な取り組みとして、統一した世界観をビジュアルで表現できるよう、鍋島焼のロゴタイプデザインを制作。さらに鍋島焼の制作風景や大川内山の自然、地域の人々の営みなど、開窯350周年の記録をデジタルアーカイブとして制作し、新たに開設したウェブサイト・インスタグラムを活用して積極的な情報発信を行なっていく。また、今までも開催されてきた年間行事をさらに充実した内容へと刷新。直近では『鍋島藩窯 窯元市』が2025年4月29日(火・祝)~5月5日(月・祝)の日程で計画されている。限定発売予定の《鍋島焼開窯350周年 記念小皿》も鍋島焼350年の歴史と伝統を次世代に伝える象徴として畑萬陶苑によってデザイン・制作された。
今後の行事などの詳細はウェブサイト・SNSで発信される予定だ。受け継がれてきた「鍋島焼」の歴史・文化・精神を未来の陶工へとつなぐ記念すべきこの1年、ぜひ現地を訪れてみてはいかがだろう。
◾️関連情報
「鍋島焼」開窯350周年記念事業
主催・運営:伊万里鍋島焼協同組合
アートディレクション:長尾美術(長尾周平)
写真撮影:西山勲
動画撮影・編集:坂口幸司、仁田原力
トータルディレクション:method Inc.(山田遊、吉岡由実加)
広報:株式会社ハウ
ウェブサイト:http://nabeshima-yaki.com
インスタグラム:https://www.instagram.com/nabeshimayaki/