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「WEST MEETS EAST」― ウェッジウッドが輪島塗とのコラボレーションを発表

アートディレクション 鈴木啓太、撮影 川上輝明(bean)、スタイリング 曲田有子

日本の伝統工芸、輪島塗の産地として世界に広く知られる石川県輪島市。2024年1月に発生した能登半島地震によって、現地では職人が工房や道具を失い、制作の継続が困難な状況が今も続いている。このような状況の中、265年に及ぶ歴史を持ち、クラフトマンシップを礎とする英国王室御用達ブランドのウェッジウッドは、能登半島地震被災地への支援対象として、輪島市の重要な産業である輪島塗に着目。輪島塗の美と技法に光を当て人々の関心や購買を促すことで、職人への持続的な制作支援や生きがいにつながることを願い、「WEST MEETS EAST」の企画を立ち上げた。

ウェッジウッドと輪島塗をスタイリングし、互いの作品を引き立てる「WEST MEETS EAST」のアートディレクションは、金沢美術工芸大学製品デザイン学科客員教授の経歴から石川県との関わりが深く、復興支援活動に精力的なプロダクトデザイナー、鈴木啓太。フォトグラファーの川上輝明とスタイリストの曲田有子とともに練られた企画は、ウェッジウッド、輪島塗の双方が持つ伝統的な技法と独特の美しさが出会い、西洋美と東洋美の邂逅と言える印象的なアートに仕上がっている。使用した輪島塗は、人間国宝の職人の作品を含む、緻密な技術と美しさが詰まった輪島塗の真骨頂と呼べるもので、鈴木氏が現地の人々と相談の上で選定を行なった。組み合わせたウェッジウッドのファイン ボーン チャイナ3柄には、被災された地域へのメッセージが込められている。「不死鳥」がモチーフのフェニックス(Phoenix)は、何度でも蘇ることを意味することから一日も早い復興への願いが込められ、太陽が語源のヘリア(Helia)は夜明けを示唆し、「明けない夜はない」と被災者に寄り添い、和柄を思わせるフォーチュン(Fortune)は、九谷焼に着想を得たシリーズがデザインのルーツとなっている。

日本との出会いを大切にしているウェッジウッドが、“食卓”や“クラフト”を軸に輪島塗とつながったことで生まれた今回の企画。コラボレーションには、作品への興味をきっかけとして輪島塗の将来や被災地に関心を寄せて欲しい、という思いが込められている。ウェブサイトに掲載の作品や作家の情報とともに、美しい写真を通してあらためて輪島塗に注目したい。

 

◾️関連情報
「WEST MEETS EAST」
ウェブサイト:https://www.wedgwood.jp/contents/west-meets-east

「WEST MEETS EAST」:輪島塗
高洲堂
https://kosyudo-japan.com/home/

使用作品の作家
小森邦衞
箱瀬淳一
角有伊
小西啓介
前古孝人

「WEST MEETS EAST」:クリエイティブチーム
アートディレクション 鈴木啓太(Product Design Center)
フォトグラファー 川上輝明(bean)
スタイリスト 曲田有子

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KOGEI STANDARD

編集部

KOGEI STANDARDの編集部。作り手、ギャラリスト、キュレーター、産地のコーディネーターなど、日本の現代工芸に関する幅広い情報網を持ち、日々、取材・編集・情報発信を行なっている。