「砥部」
連載コラム『工芸産地』 VOL.4

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2025.3.7 – 6.15
21_21 DESIGN SIGHT
2025.3.12 – 3.17
日本橋三越本店
2025.3.13 – 3.24
白金台 雨晴
2025.3.14 – 3.22
gallery, あるゐは
毎春、新作を発表するスガハラから、今年も20シリーズが登場。日々の生活を彩る、形や色もさまざまなデザインの製品が出揃った。
《Sghr Imperfect(インパーフェクト)》は、有機的な線や気泡など、個体ごとに異なる表情を持つグラス。通常の製品では、天然の砂を高温で煮て出来たガラスの中から綺麗な部分のみを使用するが、本作には普段は弾かれてしまう、個性の残った部分を使用した。不完全だからこそ美しい、自然の素材から生まれる一期一会の表情を大事にしている。
《charaku(茶楽)》は表面の細かい模様が涼しげな、冷茶を楽しむためのグラス。ざらっとした質感を出すため、通常とは異なる製法によって型吹きで作られている。手に取りやすく、飲み口の広がりがお茶の香りも引き立たせてくれる。
器の底部分に付けたパウダー状のガラスが粉雪のようにきらめく《konanoyuki(コナノユキ)》は、パウダーの質感を生かしながら、均等に付着するよう丁寧に制作されている。オパールブルーグレーは日の出前、ホワイトは日中、オパールブラウンは夕暮れ、と太陽の光で色の見え方が変わる様子をイメージしている。
《yuuhou(優包)》は盛り付けた料理を優しく包み込むような形状が特徴。今までさまざまなデザインを生み出してきた熟練の職人が、吹きガラスによる美しい形を目指し、器の高さなど、細部と全体のバランスにこだわって制作。不透明な白と黒、そしてクリアーのモダンな色展開も魅力的。
まるで自然の石ころのようにごつごつとした形の一輪挿し、《galakolo(ガラコロ)》。あえて形状を限定せず、自然な動きの中でガラスを自由に踊らせるようにして作られている。陽の光に輝く姿は小ぶりでも存在感があり、オブジェとしても美しい。
《lucis(ルーキス)》は鉱物の雲母をガラスに混ぜることできらきらとした質感を表現。型を使わずにガラスの硬さを見極めながら成形しており、宙吹きならではの、伸びやかなデザインに仕上がっている。
《shizuku no hashioki(しずくのはしおき)》は不透明の白と透明の色ガラスを組み合わせた箸置き。小さな製品はサイズを揃えるのが難しく、ガラスの量や柔らかさを慎重にコントロールしながら雫形に整えられている。
今回紹介した製品以外にも職人のアイデアと技術による新作が多く登場している。スガハラのNew design preview 2025 特設サイトでは、新製品のエピソードや開発秘話、店舗でのイベント情報などを随時更新中だ。
◾️関連情報
『SGHR NEW DESIGN PREVIEW 2025』特設ウェブサイト
https://www.sugahara.com/ndp2025/