『谷穹 抽象と静寂』展覧会レポート
展覧会・イベントレポート VOL.30
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2024.12.12 – 12.25
セイコーハウスホール
石川県
2024.12.17 – 2025.2.24
国立工芸館
東京都
2024.12.18 – 12.24
日本橋三越本店
京都府
2024.12.21 – 12.29
essence kyoto
日本橋の榛原で半世紀以上を務める星野さんは、19歳のときにアルバイト店員として入社した。徒弟制度があった当時、榛原には親ほど歳の離れた番頭たちがおり、星野さんは仕事と遊びの楽しさを教わったそうだ。
最初の仕事は、料亭から歴代の宰相宅まで幅広いお得意様への配達仕事。配達を通じて、紙の生産地や種類などを学んだ。やがて、星野さん自らが番頭となり、総支配人にもなった。戦後の混乱期からバブル時代を経て、時代の変遷とともに、求められる紙の用途は変わったが、いつの時代にも必要とされてきたという実感がある。
「紙は歴史を伝えるものであり、文化とも密接です。どれほど世の中が変わり続けても、紙が途絶えることはないでしょう」。そう語る星野さんは、変わりゆく日本橋の街の姿を見続けながら、改めて紙の大切さを今の時代へと伝えようとしている。