10年目を迎える福井の工房見学イベント『RENEW/2024』、11月に開催
注目の展覧会・イベント VOL.61
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
富山県
2024.12.7 – 2025.6.1
富山市ガラス美術館
2024.12.11 – 2025.3.2
清水三年坂美術館
2024.12.17 – 2025.3.2
京都国立近代美術館
東京都
2024.12.25 – 2025.1.6
日本橋三越本店
INSIGHT
VOL.1-32 更新
KOGEI & Me VOL.19
塩士正英さんは、輪島塗の製造と販売を手がける塗師屋「藤八屋」の三代目。大学卒業後、家業を引き継ぐための修行を始めた正英さんは、次第に職人の仕事に熱中していった。しかし父親からは「職人の仕事はせず、商人になるように」と諭されたという。輪島での「塗師屋」の役割は、漆器を販売するための営業と商品企画。実際につくる工程は職人に委ねるのが習わしだったからである。それでも父親の意に反して、正英さんは、月の半分...
KOGEI & Me VOL.18
祖父の山本陶秀氏は人間国宝、父は、岡山県重要無形文化財保持者の山本出氏という、備前焼作家の家系に生まれた、周作さん、領作さん兄弟。二人にとって陶芸は空気のように当たり前にあるものであり、興味の対象ではなかったという。そんな兄弟が作陶に触れたのは20代前半の頃。父、出氏がフランスで開催した個展がきっかけで、助手として作品制作に携わるようになった。技術を習得していく達成感を得た二人は、やがて父の元で本...
KOGEI & Me VOL.17
有田の窯元、吉右ヱ門窯を率いる原田吉泰さん・愛矢子さんご夫婦。愛矢子さんは、群馬県出身。東京の美術学校で染めや織物を学んだ。有田の陶芸の伝統と地域性の密な暮らしには結婚前から興味があったという。吉泰さんとの結婚を機に、有田へ。そして、その土地への愛情は一段と深まり、窯の仕事を積極的にサポートしてきた。吉泰さんは、代々続く吉右ヱ門窯の長男。自分の名前に窯と同じ「吉」の字があることから、後継者としての...
KOGEI & Me VOL.16
徳幸窯の社長を務める弘幸さんは、1974年生まれ。大学では史学を専攻し研究者の道へ進むことも考えたが、「案外、焼き物も楽しいものだぞ」という祖父の遺言を胸に、家業を継ぐことを決意したと言う。弟の榮二郎さんは、ロクロ師である。京都で焼き物の修行をし、有田に戻るが、当初は磁器の伝統ある地で自身をどう表現するかに悩む日々だった。頻繁に東京に出ては様々な作品に触れる中で、土ものである陶器に炭を用いて独特の...
KOGEI & Me VOL.15
染革作家の原田賢一さんは、東京でファッションデザインを学んだ後、カメラアシスタントを経て、電機メーカーのデザイン部に就職。製品写真の撮影を担当していたが、写真界はフィルムからデジタルへの過渡期にあり、将来について考えさせられたという。世間の流れに風靡されない、自分にしかできないものづくりがしたい。一度決めたらのめり込むタイプの原田さん。トレンドにそれほど影響を受けない革小物づくりへの挑戦が始まった...
KOGEI & Me VOL.14
熊本県出身の山根晃司さん。子どもの頃から手で物をつくることが好きで、職人の仕事に興味があった。大学の工学部を卒業して就職したが、職人になりたいという気持ちを抱き続けた。そんななか、竹工芸と出会い、竹又に入社。竹が持つ天然の美しさと、加工次第で様々な形に姿を変える奥深さに魅了され、技を磨いてきた。竹又では、竹細工を施した小物の制作の他、竹垣などの造園の仕事も多く、幅広い加工技術を習得することができた...
KOGEI & Me VOL.13
富山市出身の外川良夫さんは、1979年に株式会社山口久乗に入社。結婚を機に山口家の親族となり、この仕事に関わるうちに、伝統的な仏具の奥深さに惹かれていった。得意先への営業の他、高岡市内に点在する鋳造工場や加工を請け負う工房をまわり、商品を受け渡すことが外川さんの主な仕事だ。商品の加工は分業で行われるため、各工程を担う職人たちに完成品を見せに行くこともある。商品が世に出ていく達成感を作り手と共有する...
KOGEI & Me VOL.12
富山県で生まれ育った野村さんは、高岡に住み始めたことがきっかけで、高岡市美術館に足を運ぶようになった。そこで高岡の伝統工芸品に出会う。とりわけ螺鈿を施した漆器に魅了され、自分も作ってみたいと思ったそうだ。野村さんの経歴は、職人とは縁遠いものだったが、2010年に天野漆器に転職。漆塗り職人となった。未経験から技術習得を後押ししてくれる環境で、元来手先が器用だった野村さんの能力が開花した。野村さんの仕...
KOGEI & Me VOL.11
京都出身の山口省三さん。出身地の京都に関わる仕事がしたいという想いで、1998年に京焼を専門とする熊谷聡商店に入社し、営業担当として同社の販路を切り拓いてきた。これまでの勤務経験のなかで最も印象深い出来事は、入社2年目で取り組んだ、箸置きの商品開発だ。得意先の店主から相談を受け、要望を聞き取りながら、窯元と連携して新商品を制作。その達成感が契機となり、その後も数々のオリジナル箸置きを生み出した。仕...
KOGEI & Me VOL.10
愛知県出身の鱧野さんが陶磁器の産地である岐阜県に移り住んだのは、2015年。瑞浪生まれの女性との結婚がきっかけだった。まもなくして小田陶器に入社。陶磁器製造の経験はなかったが、黙々と仕事に集中するものづくりの現場が自分の性格に合っていると感じたそうだ。工場では、成形部門で、自動成形機に型を流す前のセッティングを担当している。重さが30キログラム以上にもなるローラーを持ち上げ、陶土を入れた型に角度を...
KOGEI & Me VOL.9
拭漆職人の我戸宣夫さんは、我戸幹男商店の三代目。父であり二代目の幹男さんの「漆器はなくならん」という言葉に後押しされ、家業を継ぐことを決意した。工業高校を卒業後に名古屋の漆器問屋で修行した宣夫さんは、1977年に、山中へと戻り、兄の彰夫さんと共に漆器の販売会社を設立。得意先の開拓はゼロからのスタートだったため、苦労したという。兄弟二人で電話帳で売り先を調べては、地図を片手に方々を訪ねてまわる日々。...
KOGEI & Me VOL.8
小坂玲央さん智恵さん夫婦は、漆器の専門学校の木曽高等漆芸学院の同期生として出会った。2009年に結婚。玲央さんの実家である漆器店を夫婦二人で受け継いだ。現在、玲央さんが家具作りを、智恵さんは漆の絵付けを主に担当している。二人は普段、商品の企画や営業を共にしているが、どちらも譲らない職人タイプ。意見を交わしあうことで、新たな世界を作り上げていく。例えば、同店のオリジナル漆硝子ブランド「百色 R...