石川県が輪島塗の創造的復興に向けた官・民・産地共同プロジェクトを発表
工芸トピックス VOL.31
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2025.1.15 – 1.20
日本橋三越本店
東京都
2025.1.16 – 1.26
セイコーハウスホール
東京都
2025.1.16 – 1.29
和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
東京都
2025.1.17 – 1.31
HULS GALLERY TOKYO
塩士正英さんは、輪島塗の製造と販売を手がける塗師屋「藤八屋」の三代目。大学卒業後、家業を引き継ぐための修行を始めた正英さんは、次第に職人の仕事に熱中していった。しかし父親からは「職人の仕事はせず、商人になるように」と諭されたという。
輪島での「塗師屋」の役割は、漆器を販売するための営業と商品企画。実際につくる工程は職人に委ねるのが習わしだったからである。それでも父親の意に反して、正英さんは、月の半分は東京で営業をしながら、職人としての技を磨き続けた。現在も、割烹やレストランへ出向いて業務用漆器の製造を受注し、上塗りという最終の塗りの仕上げを自らの手で行う。仕事をする上で大切なのは、実際に製品を使う現場の声に耳を傾けること。そうして正英さんが長年取り組んできたのが、日本一強い漆器づくりだ。
「お客様のことを考えながらする仕事には毎日達成感があります。輪島塗だからという評価を超えて、藤八屋の品物だから丈夫だと認めていただけたら嬉しい」。その妥協ないものづくりが、料理を引き立てる美しい背景となっている。