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北陸工芸の祭典『GO FOR KOGEI 2023』富山の運河沿いにて開催

岩崎貴宏 《Out of Disorder (Layer and Folding)》 2018年 作家蔵 展示風景: 特別展「跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー」(京都市京セラ美術館、2023年) Photo: Takeru Koroda

富山、石川、福井の北陸三県を舞台に、広域的なアートエリアの形成を目指し、工芸の魅力を国内外に発信する取り組みとして2020年に始まったGO FOR KOGEI。4回目となる今年は、富山市の中心部から富山湾に続く富岩運河沿いの3つのエリアを会場に、2023年9月15日(金)から10月29日(日)の日程で開催される。

展覧会のタイトルは『物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー』。フランスの科学哲学者、ガストン・バシュラールの「物質的想像力」という概念を下敷きに、絵の具やキャンバス、土、布、鉄などさまざまな物質を使用する26名のアーティストの作品が紹介される。工芸、現代アート、アール・ブリュットというジャンルを超え、作者の生き方が強く反映された作品が揃う予定だ。また、水の都と呼ばれる富山市が舞台の本展では、これまでのGO FOR KOGEIでも取り組んできた、地域の歴史・文化を象徴する場所でのサイトスペシフィックな展示手法をさらに深化させ、運河沿いに設定された会場を船でたどり、移りゆく風景とともに作品を楽しむ鑑賞体験を提案している。展覧会のスタート地点となる環水公園エリアでは、樂翠亭美術館、富岩運河環水公園、富山県美術館の3か所が会場となり、環水公園には大型の立体作品による屋外インスタレーションも展示される。富岩運河の中間地点にあたる中島閘門エリアでは、絵画を含む二次元イメージとそこから派生する立体表現への展開や、運河を走る遊覧船からも鑑賞できる大型作品も展示。終着地となる岩瀬エリアでは、明治期の建物群8か所の会場を現代アートの多様な表現が彩る予定だ。

幅広い工芸を有する北陸では、連携プログラムもこの秋多く計画されている。土地を巡りながら工芸を捉え直す新たな機会となるに違いない。

 

◾️出展作家
板垣豊山、岩崎貴宏、上田バロン、O33、川井雄仁、川上建次、河部樹誠、オードリー・ガンビエ、金理有、久保寛子、桑田卓郎、コムロタカヒロ、近藤高弘、桜井旭、ささきなつみ、定村瑶子、長恵、辻村塊、野村由香、葉山有樹、平子雄一、古川流雄、増田セバスチャン、村山悟郎、横野明日香、渡邊義紘(26名)

◾️関連情報
『GO FOR KOGEI 2023』
公式ウェブサイト:https://goforkogei.com/

展覧会:物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー
会期:2023年9月15日(金)〜10月29日(日)
時間:10:00〜16:30(入場16:00まで)
会場:富山県富山市 富岩運河沿い(環水公園エリア:樂翠亭美術館ほか、中島閘門エリア:電タクほか、岩瀬エリア:桝田酒造店満寿泉ほか)
休場日:樂翠亭美術館(水曜)、富山県美術館(水曜、9月19日)、KOBO Brew Pub(火曜)、ほか会期中無休
チケット(ガイドブック付き):一般 2,500円(前売り券 2,000円)/高校生 1,500円 (前売り券 1,000円)
 オンライン販売:GO FOR KOGEI2023ウェブサイト https://artsticker.app/events/2447
 会場購入・引換:樂翠亭美術館(水曜休)、電タク、桝田酒造店 満寿泉  ※会期中のみ

※会期や詳細は予告なく変更となる場合があります。最新情報は公式ウェブサイトにて直接ご確認ください。

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KOGEI STANDARD

編集部

KOGEI STANDARDの編集部。作り手、ギャラリスト、キュレーター、産地のコーディネーターなど、日本の現代工芸に関する幅広い情報網を持ち、日々、取材・編集・情報発信を行なっている。