加倉井さんは、長野県富士見町を拠点に活動する吹きガラス作家。ヴェネチアングラスの技法を駆使した色彩豊かな作品が特徴で、他作家の制作を技術的に請け負う「ギャファー」としても信頼の厚い作り手である。一方の廣島さんは石川県金沢市に拠点を置くカットガラス作家で、自身のブランド「h collection」を展開している。繊細でシンプルなカットが施された、日常の中でそっと寄り添ってくれるような作品が魅力だ。
かれこれ20年来の親交があるという二人。『SHAPE & DECORATION』は廣島さんが発案し、加倉井さんに声をかけて始まった企画だそう。加倉井さんがガラスを吹いて形を作り、廣島さんがカットで装飾するコラボレーション作品が目玉の展示で、初めての開催は2018年だった。今回で3度目を迎える。「前回まではやや“分業”という感じがあったのですが、今回はよりコラボレーションらしい作品展になったと思います。オンラインで打ち合わせを重ね、コンセプトやデザインを練りました。共同制作した作品は、二人それぞれの要素が詰まった作品。みなさまの暮らしにフィットすると良いなと思っています」と廣島さん。「初めてのZoom会議は慣れない部分もあり、大変でした」と加倉井さんは笑う。