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『築城則子染織展 ―縞百姿 遊びをせむとや―』展覧会レポート

2021年1月28日(木)~2021年2月7日(日)、銀座和光にて染織家 築城則子さんの個展が開催されました。

江戸時代から昭和初期まで、福岡県小倉で作られていた地厚で丈夫なたて縞の織物「小倉織」。築城さんは、長年の研究の末、1984年にこの小倉織の復元・再生に成功しました。その後も小倉織の発展に尽力し、8年ぶりの個展となる今展では、小倉織の帯や額装、漆箱に加え、練貫や紬、小倉縮の着物の制作にも意欲的に取り組み、美しい縞の世界をより一層進化させています。次世代に工芸をつないでいくことを重んじる築城さんの達ての希望で、竹工芸家の本田青海さんや江戸切子作家の小川郁子さんなど、注目の若手工芸作家とのコラボレーション作品の展示も実現しました。

銀座和光にて開催された染織家 築城則子さんの個展

空間デザインは建築家のYang Hen Chen氏

展示デザインを手掛けたのは、北九州空港のラウンジなど、小倉織を用いて洗練された空間デザインを生み出してきた建築家のYang Hen Chen氏です。今展のデザインコンセプトは「宙」。中央に大きな空間を設け、その周りを囲むように作品を配置する構成となっています。海外の美術館を彷彿とさせるようなこの空間では、中央からぐるりと作品を鑑賞し、くつろぎながらゆっくりと縞の世界に浸ることができました。

新型コロナウイルスの猛威により一度は延期となっていた本展ですが、このたび満を持しての開催となり、来場された方々も興味深く鑑賞されていました。「医療関係の方々が懸命に取り組んでいらっしゃる様子を知るにつけ、私なりの道を精一杯進むだけだと考えております。縞が一筋の光、希望へと繋がることを信じてやみません」と築城さん。展示の様子は、オンラインでも公開されています。

写真提供:遊生染織工房
文:堤杏子

■関連リンク

・築城則子染織展 ー縞百姿 遊びをせむとやー 銀座和光ホール(2021.01.28〜02.07) YouTube
https://youtu.be/0FtPv22uCo8

築城則子 プロフィール

築城則子 インタビュー

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KOGEI STANDARD

編集部

KOGEI STANDARDの編集部。作り手、ギャラリスト、キュレーター、産地のコーディネーターなど、日本の現代工芸に関する幅広い情報網を持ち、日々、取材・編集・情報発信を行なっている。