駿河竹千筋細工とソーラーテクノロジーを組み合わせた行燈《Sonnenglas® EN》が発売
新商品情報 VOL.21

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2025.4.5 – 6.22
静嘉堂文庫美術館
2025.4.19 – 11.24
大阪市立東洋陶磁美術館
神奈川県
2025.4.19 – 4.27
ink gallery
東京都
2025.4.22 – 4.27
柿傳ギャラリー
中世に焼かれた信楽焼、「古信楽」。それが持つ独特の佇まいに宿る当時の陶工たちの美学は、時が経った今も色褪せることなく確かにそこにある。この「やきものの意識」ともいうべきものを、現代の空間の中に表現するにはどうすべきか。信楽の陶芸家・谷穹は、日々その問いに向き合い続け、中世の陶工たちと同じ眼差しでやきものを作ろうと試みる。
本作《信楽 茶碗》は、丸い形と色彩の明暗対比が目を引く茶碗。穴窯で焼成し、匣鉢に入れて焼くことで、色の出方を制御している。器肌には信楽らしく長石が表出し、その質感を飾り立てることなく簡素に伝えている。薄造りで大きめの丸い形は収まりが良い。高台は糸切り後に指で押し、ニュアンスを出している。原始的であり現代的、粗野であり端正、相反する要素が同時に存在しているような、不思議な心地がする作品だ。この作品にしか醸し出せない雰囲気というものがあるのだと、そう思わせられる優品である。