第5回「三井ゴールデン匠賞」贈賞式レポート
展覧会・イベントレポート VOL.31 AD

展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
京都府
2025.3.22 – 7.27
ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM
東京都
2025.3.26 – 3.31
日本橋三越本店
東京都
2025.3.29 – 4.3
寺田美術
2025.3.30 – 6.1
日本民藝館
黄金に輝く芙蓉の花。金箔で象られたそれは、萌黄色の地にやさしく浮かびあがり、たおやかに咲いている。華麗でありながら派手さはなく、かえって奥ゆかしくも感じられるのは、作家の技術が成せる業だろう。
吉田美統氏は、数ある九谷焼の上絵付技法のなかでも、金彩による装飾を代々得意としてきた窯元、錦山窯の三代目当主。往時、加藤土師萌の釉裏金彩作品に出会い、その斬新さに衝撃を受けたことをきっかけに、この技法に取り組み始めたという。以来30年以上に渡り技を磨き続け、現在では重要無形文化財保持者(人間国宝)の指定を受けている。
本作では、扱いが困難といわれる金箔を巧みに操り、花や葉の陰影や奥行きまで見事に表現してみせた。繊細な金箔を透明釉で閉じ込める「釉裏金彩」の美を語るにふさわしい品格を備えた作品である。