石川県が輪島塗の創造的復興に向けた官・民・産地共同プロジェクトを発表
工芸トピックス VOL.31
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2025.1.16 – 1.26
セイコーハウスホール
東京都
2025.1.16 – 1.29
和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
東京都
2025.1.17 – 1.31
HULS GALLERY TOKYO
京都府
2025.1.25 – 2.2
essence kyoto
江戸時代に佐賀藩の研究所として硝子窯がつくられ、かつては硝子の生産が盛んであった佐賀県。1903年創業の副島硝子工業は、その佐賀硝子の技術を唯一、継承している工房である。創業当初は、主に薬瓶やランプのホヤなどの実用品を生産していたが、時代が変わり、世の中に機械化の波が押し寄せてきた。その中で、長い間培ってきた手づくりの技術を守るため、昭和40年頃、現社長である副島太郎さんの代に工芸品の生産へ移行。太郎さんは、経営を行いながらも、作家としての作品作りも行うなど、積極的な活動を展開し、「肥前びーどろ」のブランド名で親しまれるようになった。
副島硝子工業では、型を用いず、息を吹き込んで成形する「宙吹き」を特徴とし、その技法は佐賀市重要無形文化財に指定されている。また、二本のガラス竿を扱い成形していく技法「ジャッパン吹き」は、習得のために10年以上の歳月が必要とされる高度な技法だ。副島硝子工業は、この技法を唯一継承する工房であり、酒を温めるための瓶である「肥前かんびん」は、この技法を用いた製品として根強い人気がある。
現在は、太郎さんの息子である隆男さんと正稚さんが、それぞれ営業、職人として現場で活躍する。ガラスの全面に縄模様を施した「縄文シリーズ」は40年以上のロングセラー商品であり、世代を超えたガラス作りを目指す当社の代表的な商品の一つだ。また、誰もが気軽に伝統技術に触れられる体験工房を構えるなど、地域に密着した活動も続けている。