『谷穹 抽象と静寂』展覧会レポート
展覧会・イベントレポート VOL.30
展覧会情報やインタビューなど、工芸に関するさまざま情報を発信しています。
東京都
2024.12.12 – 12.25
セイコーハウスホール
石川県
2024.12.17 – 2025.2.24
国立工芸館
東京都
2024.12.18 – 12.24
日本橋三越本店
京都府
2024.12.21 – 12.29
essence kyoto
株式会社ブルックリンは、現社長である草ヶ谷昌彦さんの父・和久氏によって、1979年に東京千駄ヶ谷で創業された。ソックスの卸販売から始まった事業が発展し、服飾小物の企画・生産を手がけてきた。納入先は、当時の日本ではまだ新しかったセレクトショップの数々。その繁栄とともに、業界での存在感を高めていった。やがて革小物に特化した自社ブランド「ブルックリンミュージアム」を立ち上げる。鮮やかな色のレザーを用いた商品展開が、それまで黒や茶が主流だった革小物売り場に新風を吹きこんだ。そして2002年、青山に直営店をオープン。ブルックリンの手間を惜しまないものづくりを丁寧に伝える場となっている。
ブルックリンの製品には、こだわりの素材が使用されている。例えば、下町の革なめし工場「カナメ」と共同で開発したオリジナルレザーの「ヤマト」や、刷毛による塗りを丁寧に繰り返すことで木目のような模様が美しく現れる「柿渋染め」のレザーなどは、同社を代表する素材であり、卓越した職人技によって生み出される。これらの素材は、使い込むほどに味わい深さを増す。縫製においても、細部まで決して手を抜くことはない。ステッチの色や裏の革の色にもこだわり、一色一色コントラストを考えて緻密に作られている。
直営店のオープンと時を同じくして、イタリアの鞄・革小物の展示会「MIPEL」に日本ブランドとしては初となる出展を果たし、世界中のバイヤーたちからその驚くべきカラーバリエーションやクオリティの高さを賞賛された。現在では革小物やバッグからワインキャリーバッグなどのホビーグッズまで幅広く展開を進めている。現社長の昌彦さんは革小物職人としてカスタムオーダーも受け付けており、2018年にはシンガポールにて初の海外でのオーダー会を開催。永く愛用される商品の提案を使命に、今後も丁寧なものづくりを世界へと発信し続けていく。